耳の病気

外耳炎

症状

耳のかゆみ、耳だれ
耳かきをよくする人に多い。入浴後に綿棒でやりすぎてもなる。

耳3

所見

外耳道の発赤、カサカサ

治療

ステロイド軟膏の塗布、痛みが強い場合は抗生剤を処方することもある。腫れがひどい場合は軟膏付きのガーゼを挿入する場合もあります。

注意点

半年以上治らないといって受診する人は、ステロイド軟膏をしっかりと1週間〜2週間継続する方法をおすすめしています。痒みがなくなったからと言ってすぐに軟膏をやめると再発を繰り返すことになります。

急性中耳炎

子供が鼻かぜをひくとなりやすい。

症状

耳の痛み、耳だれなど

耳2

所見

鼓膜の発赤、腫脹、混濁

治療

中等度症以上なら抗生剤の内服。軽症なら抗生剤なしで鎮痛薬処方。

注意点

鼻がずっと出て機嫌が悪かったり発熱している場合は中耳炎の可能性も考慮。

滲出性中耳炎

耳の痛みはないが耳がつまった感じになる中耳炎です。鼻の症状が長引いた時に起こりやすいです。子供が多いですが、大人でも耳管機能が悪い人がなりやすいです。

症状

耳のつまり感、あるいは自覚してないことも多い

治療

鼻の状態をよくすることがイコール治療になります。鼻炎を治す薬です。治りが悪い時はマクロライド系抗生剤を長く飲んでもらうこともあります。

注意点

鼻をすすると、耳管を通して耳に陰圧がかかるので、鼻はかむようにしてください。

耳管開放症

鼻の奥にある耳との通路は普通は閉じているのですが、それが開きっぱなしになる状態です。

症状

耳のつまり感、自分の声が響く、呼吸の音が聞こえる

治療

当院では、鼓膜の動きを制限させるためにステリテープを貼っています。半分くらいの人がその場で症状の軽減を感じます。他に加味帰脾湯という漢方薬。それらでも治らない人は耳管ピンを行っている病院に紹介しています。

メニエール病

疲れ、ストレス、気圧低下などで、めまいや耳のこもり感を反復する

症状

ふらふらや耳がこもる症状が、治ったり繰り返したりする。

治療

利水効果のあるイソバイドという薬。あるいは五苓散、柴苓湯などの漢方薬、血液循環剤、抗めまい薬。

注意点

うまく気分転換を図る。忙しい場合には自分で何でも抱え込まないで周囲の人にも助けてもらう。睡眠をしっかりとる。有酸素運動が有効だそうです。

良性発作性頭位めまい症

頭を上下あるいは左右に加速する運動をしたときに1分ぐらい生じるめまいです。
寝起き、シャンプー時、洗濯物を干す時、靴紐を結ぶ時など。

所見

頭を動かした時の特徴的な眼の動きで診断がつくことがあります。軽症では、その眼振がみられないことも多いです。

治療

耳石頭位置換法、抗めまい薬、自分で行うROMと言われる寝返り運動

突発性難聴

突然聞こえが悪くなる原因不明の高度の難聴。

症状

耳鳴り、耳閉感、時にめまい

治療

ステロイドの内服が主体。重症の場合には病院に紹介して入院点滴のこともあり。

注意点

症状が起きてから、2週間も3週間も経っていると症状が固定してしまい治らないこともあるので、全く聞こえない状態が1日以上続く場合は、なるべく早めに受診してください。

低音障害型感音難聴

高音域は正常で低音域が低下する。耳がこもる感じがよくなったり悪くなったり変動することが多い。

症状

耳がつまる感じ(山に登ったような、飛行機に乗ったような、プールで水が入ったような)

治療

当院では軽症なら五苓散、柴苓湯が主体。補助に循環改善薬も。落ち方が40dBとか越えていたらステロイド使う時もあり。

注意点

仕事、介護、育児、人間関係のストレスなどが原因となることが多いので、うまく気分転換を図ったり、すべて自分でやろうとせず周りの人に協力を求める。

心因性難聴

実際には聞こえは問題ないのに聴力検査をすると悪く出る病気。心因的な問題です。

症状

本人も家族もコミュニケーションは普通にできるので自覚症状はない。学校や会社の検査で指摘されて受診する。

対策

当院では自記オージオという検査を行い、心因性難聴を疑ったら病院に紹介して脳波の検査や内耳からのエコーの反射を測り内耳機能の異常がないかを調べてもらう。異常がないことがわかったら、あとは心因的な問題要素を取り除いていく。